アイリスは富士裾野工場(静岡県裾野市)で紙おむつの生産に乗り出す(同社提供)

アイリスオーヤマは27日、子供用紙おむつ事業に参入すると発表した。国内で同事業から撤退した王子ネピアから生産設備を買い取り、富士裾野工場(静岡県裾野市)で2025年上期にも生産を始める。電子商取引(EC)などの販路を活用し、30年に売上高100億円をめざす。

王子ネピアの名古屋工場(愛知県春日井市)にある休止設備を購入する。金額は非公表。アイリスは紙おむつを王子ネピアの「Genki(ゲンキ)!」ブランドで販売する計画で、同社とブランド利用のライセンス契約を結んだ。

少子高齢化で他社が撤退している市場に参入する成算について、アイリスの大山晃弘社長は同日の記者会見で「メーカーベンダー(製造・卸売業の融合形態)として中間マージンを削減し、物流効率を高めることで収益化できる」と話した。

子供用紙おむつへの参入を説明するアイリスの大山社長(27日、東京・港)

アイリスは新型コロナウイルス禍の20年に不織布マスクの生産に乗り出した。その後はウエットティッシュの生産を始めるなど不織布製品を軸にヘルスケア事業を強化している。

紙おむつへの参入は不織布の生産技術のノウハウが生かせる。子供向け商品などヘルスケア領域の品ぞろえを拡充し、事業拡大をめざす。

王子ネピアは名古屋工場で年4億枚の子供用紙おむつを生産していた。少子高齢化が進む国内で同事業から撤退し、成長の見込める海外での子供用や国内での大人用の紙おむつ事業に経営資源を集中する。

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