日本百貨店協会（東京・中央）が25日に発表した10月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比0.7%減の4477億円だった。これまで高額品やインバウンド（訪日外国人）消費の好調を背景に増収を続けてきたが、32カ月ぶりのマイナスとなった。10月も気温が高い日が続いたことで単価の高いコート類などの秋冬物が不振だった。
入店客数も0.6%減となり前年実績を下回った。商品別では衣料品が4.3%減で32カ月ぶりのマイナスだった。値上げの影響を受けた食料品も2.0%減だった。西武池袋本店（東京・豊島）が改装工事に入り営業面積が減少していることや日曜日が1日少なかったことも売り上げを押し下げた。
免税売上高は32.3%増の508億円。31カ月連続で増収となり、売上高と購買客数（51万8000人）はともに10月としては過去最高だった。中国で国慶節（建国記念日）に伴う大型連休があったことも追い風となった。1〜10月の免税売上高の累計は5347億円で、現行の統計が始まった2014年10月以来の年間最高額である23年の3484億円を大きく上回っている。
11月1〜18日の主要百貨店の売上高は前年同期比で4.4%増となり「11月はプラスで着地できるのではないかとみている」（同協会の西阪義晴専務理事）。おせちやクリスマスケーキの予約は堅調な滑り出しとなっている。
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