大阪市に本社を置く殺虫剤大手。KINCHO(キンチョウ)ブランドで知られる。和歌山県のミカン農家出身の上山英一郎が1885年に地元で上山商店を創業したのが起源だ。上山は米国の実業家と知り合い、当時珍しかった除虫菊の種子を譲り受けた。その国内栽培と商品化に情熱を傾け会社の礎を築いた。(共同通信=出井隆裕記者)
上山は除虫菊を蚊の駆除に使えないかと考え、線香に練り込むアイデアを思い付く。まず棒状の蚊取り線香を販売。妻の助言で効果が長持ちする渦巻き型に改良し、1902年に発売した。
1935年に社名を現在の大日本除虫菊に改めた。戦後、殺虫成分が化学合成で製造できるようになったため品ぞろえも充実。1952年に初のエアゾール式の殺虫剤「キンチョール」を開発したほか、ゴキブリなどほかの害虫に応じた商品も売り出した。
現在も新しい発想の商品で業界をリードする。2024年2月には電源不要の室内蚊取り「シンカトリ」を発売。人の出入りなどで発生する自然な空気の流れを利用して室内に薬剤を拡散させる仕組みを採り入れた。
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