日本ガイシは19日、社内の別部署にいる人材を指定して自部署に採用する「社内スカウト制度」を導入すると発表した。管理職が対象で、2025年4月の人事改正から実施する。有望な人材を社内で積極的に活用し、イノベーションの創出につなげることが狙いだ。
管理職の人事制度改定は20年ぶり。同社によると、社内スカウト制度の導入は中部企業では珍しい。人事担当の稲垣真弓常務執行役員は19日に開いた記者会見で「これまでは新たな職務やリスキリングに挑戦する機運が生まれにくかった。この挑戦を新制度で後押しする」と述べた。
社内スカウト制度では、管理職が自分の経歴や生かしたいスキルなどを記したキャリアシートを元に各部署が欲しい人材を判断する。部署は業務内容や求められる能力・経験を示した職務記述書(ジョブディスクリプション)も考慮し社内人材をスカウトする。
新人事制度では役職定年も廃止する。従来は58歳が役職定年だった。年齢に伴う年収減少をなくし、管理職のモチベーション向上と優秀な外部人材の確保につなげる。役職定年の廃止で、管理職の年収水準は現制度から約10%引き上げられる見通しだ。
日本ガイシは脱炭素やデジタル分野を中心に新規事業の開拓を進めている。管理職が新分野に挑戦しやすい環境を人事制度で整える狙いがある。
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