山梨県の長崎幸太郎知事は18日、事業化を検討してきた「富士山登山鉄道構想」を断念すると発表した。鉄道建設が自然環境の破壊につながると訴える地元自治体や住民の反対論を受け入れた。線路を敷設する方式に代わり、ゴムタイヤで走る新交通システムの導入を検討する。
登山鉄道は麓と山梨側の5合目を結ぶ有料道路「富士スバルライン」上に次世代路面電車(LRT)を整備する構想で、知事選の公約に掲げた長崎氏の下で検討を進めてきた。県は「技術的に可能」との中間報告を10月末に示したが、地元富士吉田市などの反対姿勢は変わらず事業が進められないと判断した。
LRTに代わる案としてゴムタイヤ式の路面電車の導入を想定する。中国の鉄道車両メーカー、中国中車がハルビン市などで実用化した交通システムを基にした案だという。12月の県議会で承認を得たうえで具体的な検討を始める方針だ。
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