米国の金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)は1日、政策金利を6会合連続で据え置くことを決めた。根強い物価高(インフレ)の抑え込みを優先する。声明文では「ここ数カ月、(インフレの)目標の2%に向けたさらなる進展がみられない」と明記した。歴史的な円安ドル高の要因となっている日米の金利差は、当面縮まりそうにない。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は4月30日~5月1日のFOMCで、政策金利を2001年以来の高水準である5.25~5.50%で維持することを全会一致で決めた。金利を高く保ち、企業や個人がお金を借りづらくすることで経済活動を鈍らせて、物価の上昇に歯止めをかける狙いがある。

 23年後半にインフレが落ち着いてきたことから、FRBは24年中の利下げ開始を模索してきた。だが、今年に入ってFRBが重視するインフレ統計が想定を超えて上昇。米経済も底堅く、FRBは利下げをいったん棚上げし、インフレ警戒を再び強めざるを得なくなっている。

 こうした情勢から、市場では早期の利下げ期待が大きく後退。日米の金利差がなかなか縮まりそうにないことが意識され、外国為替市場では円安圧力が強まっている。

 4月29日には一時、1990年以来34年ぶりに1ドル=160円台の円安ドル高水準をつけた。政府・日本銀行による為替介入との見方もある急速な円買いの動きも出て、一時154円台まで戻した後、再び円安に振れるなど荒い値動きが続いている。(ワシントン=榊原謙、ニューヨーク=真海喬生)

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