記者会見で業績悪化を謝罪するスコット・キャロン会長㊥(13日、東京都中央区)

ジャパンディスプレイは13日、2025年3月期の連結最終損益が393億円の赤字(前期は443億円の赤字)になる見通しだと発表した。従来予想に比べて赤字幅が127億円拡大する。車載やスマートウオッチ向けの需要が減る。独自有機EL技術の供与などに伴う収入も想定を下回る。

売上高は25%減の1800億円と、計画から418億円引き下げた。営業損益は317億円の赤字(前期は341億円の赤字)と想定から135億円悪化する見通しだ。25年3月期にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の黒字転換を目指していたが、業績の悪化で撤回した。スコット・キャロン会長兼最高経営責任者(CEO)は同日の決算会見で「多大なるご迷惑とご心配をおかけすること、心よりおわび申し上げます」と謝罪した。

同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、最終損益が168億円の赤字(前年同期は287億円の赤字)だった。車載向けは新製品が伸びたものの、仮想現実(VR)向けなどの販売が減った。営業キャッシュフロー(CF)の収支は165億円の赤字(前年同期は82億円の赤字)と、8期連続の赤字だった。

併せて新たな事業改革を発表した。25年3月に生産終了を予定する鳥取工場(鳥取市)や茂原工場(千葉県茂原市)の一部などを、データセンター向けに売却・譲渡を進める。ディスプレーで培った技術を活用し、人工知能(AI)で需要が拡大するガラス基板事業への参入も発表した。

「日経電子版 投資・財務・会計」のX(旧Twitter)アカウントをチェック

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。