住友化学が2023年に稼働させた核酸医薬のプラント(大分市)

住友化学は11日、バイオ医薬品の一種である核酸医薬原薬の開発製造受託(CDMO)を手がけるペプチスター(大阪府摂津市)に出資したと発表した。出資額は非公表。同社の設備を活用するなどして核酸医薬の生産や供給体制を整える。

ペプチスターは塩野義製薬などによって2017年に設立され、複数のアミノ酸から構成されるペプチドを使った医薬原薬の研究開発や、核酸医薬原薬のCDMOなどを手がける。ペプチスターは同日、住友化学のほか塩野義製薬、積水化学工業、東亜合成の計4社を引受先とする第三者割当増資で総額26億円を調達したと発表した。

住友化学も核酸医薬のCDMOを手がけ、23年には大分工場(大分市)で新プラントを稼働させた。ペプチスターとはこれまでも連携し、量産技術の提供やペプチスターの生産拠点を使った2拠点体制を進めてきた。ペプチスターの設備は比較的小型のため開発初期や少量の品目向け、住友化学の設備は商業化に向けた大量生産向けとすみ分けて活用する。

住友化学は先端医療領域を成長事業に据えており、資本提携により核酸医薬のCDMOで生産・供給体制をより強化する。今後は核酸とペプチドを結合させた複合体の製造技術でも連携を進めていく。

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