SUMCOは8日、2024年12月期の年間配当を前期より34円少ない21円にすると発表した。同期の連結純利益が前期比68%減の202億円と大きく落ち込むことを受け大幅な減配となる。半導体シリコンウエハーの需要回復が遅れて売り上げが振るわないうえ、前期に計上した多結晶シリコン事業の取得に関連した負ののれん発生益200億円がなくなることも響く。
期末配当はこれまで未定としていたが、利益の落ち込みや設備投資資金などを考慮して6円とし、中間配当の15円とあわせ21円とする。22年12月期は年間81円、23年12月期は同55円だったが、2期連続で大幅に減配することになる。
24年12月期通期の業績は、売上高が8%減の3936億円、営業利益が52%減の349億円を見込む。ウエハーは人工知能(AI)データセンターで使われる半導体向けなど先端品は回復傾向にあるが、比較的汎用性の高い製品の需要は弱い。電気自動車(EV)向けも低迷している。
橋本真幸会長兼最高経営責任者(CEO)は同日のオンライン記者会見で、車向けなどの低迷は「ずっと続くとは思っておらず2、3年経てば落ち着くのではないか」と述べた。ただ、米トランプ政権の誕生が決まり、需要の見通しについては「さらに読めなくなった」と話した。
同日発表した24年1〜9月期の連結決算は純利益が162億円と前年同期から72%減った。売上高は8%減の2966億円、営業利益は52%減の299億円だった。
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