次世代半導体工場を北海道千歳市に建設しているラピダス(東京)の小池淳義社長は7日、札幌市内で講演し、2027年から量産を始める計画に「1日の遅れもない」と述べた。建設中の建屋は来年2月にほぼ完成する見込みで、4月から試作を始める予定にも変更はなく、計画が順調に進んでいると説明した。
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小池社長によると、昨年9月に着工した工場は、冬季も建設作業を続け、建屋が85%以上完成したという。製造装置の搬入を今年12月から始め、来年4月に試作ラインを稼働させる。
ラピダスは、いまの製品より格段に小さい世界最先端の半導体の国産化をめざしている。実現すれば、処理速度が高まり消費電力は減る高性能半導体として、AI(人工知能)向けの販売を見込んでいる。販売先の用途に応じた半導体を設計段階から共同開発するのがラピダスの特長の一つだとして、小池社長は「開発期間を短縮し、コストも安く提供できる」と強調した。
小池社長はその後、人材育成や研究開発に関して包括連携協定を結んでいる北海道大学でも講演した。ラピダスが求める人物像について学生から聞かれ、「あらゆる分野の人が必要だが、熱意と情熱を持ち続けられる人を望んでいる」と答えた。(丸石伸一)
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