森長旅館は12月1日にプレ開業する(秋田県男鹿市)

デザイン会社のSee Visions(シービジョンズ、秋田市)は秋田県男鹿市の中心部で改修してきた「森長旅館」を12月1日にプレ開業する。2006年に廃業した建物のたたずまいを残しながら約1億5000万円かけて整備。25年4月に本格開業する予定だ。

森長旅館はJR男鹿駅近くに立地。1934年に建てられた木造2階建ての本館に加え、離れや土蔵がある。3館はいずれも国の登録有形文化財になっており、往時の風情が今も残っている。地元建築会社の中央建装(男鹿市)が取得し、シービジョンズが借りて運営する。

離れには高級なしつらえの部屋も設けている

ツインルームを中心に10室あり、ひとりで気軽に泊まれる定員10人のドミトリールームも設けた。本館と土蔵は1つずつサウナを備えており、地域の人も利用できる。

本館のほか、土蔵にもこだわりのサウナを設けた

宿泊料金は本館が大人1人あたり1万4000円前後から、高級なしつらえの離れは2万円前後から、ドミトリーは7800円から。基本は素泊まりで、地域の飲食店などを巡ってもらう狙いだ。

従来の建物のたたずまいを残しながら改装した

返礼品や改修の資金に充てるため、300万円を目標にネットで資金を募るクラウドファンディングを7日にも始める。東海林諭宣社長は「男鹿で働く魅力発信とともに、この旅館を足掛かりに男鹿、県内を巡ってもらえるようにしたい」と語る。

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