プロジェクターの需要が振るわない

セイコーエプソンは1日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比11%減の470億円になる見通しだと発表した。従来予想(3%増の540億円)から70億円下方修正し、一転減益となる。プロジェクターの販売数量を従来の計画から引き下げた。円高による為替差損も利益を押し下げる。

売上高にあたる売上収益は2%増の1兆3400億円と、従来予想から300億円引き下げた。主力のインクジェットプリンターは販売目標の達成を見込むものの、プロジェクターの販売が振るわない。欧米で教育需要が低調なほか、中国の景気減速などが響く。販売計画も165万台と従来予想から10万台引き下げた。

想定為替レートを1ドル=151円と設定していた。7〜9月期の実勢は見通しに比べ円高で推移し、190億円程度の為替差損が発生した。為替動向を踏まえ、1ドル=149円に見直した。

同日発表した24年4〜9月期の連結決算は売上収益が前年同期比6%増の6741億円、純利益が15%減の232億円だった。

9月に発表した印刷関連のソフトウエアを開発する米ファイアリーの買収について、小川恭範社長は同日のオンライン会見で「プリントヘッドやソフトウエア開発でのシナジーを創出したい」と説明した。24年中の完全子会社化を予定する。手続き中のため、買収の影響を25年3月期通期の業績予想には反映していない。

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