戸田建設は1日、東京都中央区で2日に開業予定の新本社ビルを報道陣に公開した。低層階にパブリックアートの鑑賞スペースやギャラリーを設け、定期的に作品を入れ替える。アートに触れながら働く場を提供し、文化芸術に力を入れる京橋地区の付加価値を高める。
9月に完成した超高層ビル「TODA BUILDING」は地下3階・地上28階建てで、高さが約165メートル。通り沿いに広場を設け、1階の屋内外や2階には来訪者が自由に鑑賞できるパブリックアートを配置。6階までの低層部にギャラリーなどを設け、市民を呼び込む。
同日開いた記者会見で大谷清介社長は「アートとビジネスが交錯する場で刺激を受けてほしい」と語った。東京・京橋は古くから画廊や古美術商が多く集まる。アーティゾン美術館(東京・中央)と隣接し、街区全体で文化を発信する。
戸田建設が事業としてアート支援を手掛け、若手アーティストの交流や発表の場作り、アートを学ぶコミュニティー形成に取り組む。京橋プロジェクト推進部の小林彩子氏は「アーティストやキュレーターが自立・成長していくエコシステム(生態系)を街の人たちとつくりたい」と語った。
高層階のオフィスフロアに自社やテナント企業が入る。コスモエネルギーホールディングス(HD)や味の素が入居予定だ。免震と耐震を組み合わせた地震に強い構造を採用し、災害時に帰宅困難者を一時的に受け入れる。環境性能も高め、東京駅から徒歩圏内にある立地を生かして次世代のオフィスビルを提案する。
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