武田薬品工業は31日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比53%減の680億円になる見通しだと発表した。従来予想から100億円上方修正する。主力品の1つである注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬の後発薬の参入が、想定よりも緩やかだったことなどが影響した。
通期の売上高にあたる売上収益は5%増の4兆4800億円を見込み、従来予想から1300億円上方修正する。23年にADHD治療薬「ビバンセ」の特許が米国で切れ、25年3月期は影響が想定されていた。だが後発薬の供給が遅れ、想定よりも影響が抑えられた。
24年4〜9月期の売上収益は前年同期比13%増の2兆3840億円、純利益は4.5倍の1872億円だった。主力品の潰瘍性大腸炎・クローン病の治療薬「エンティビオ」の売上高は21%増の4732億円だった。血漿(けっしょう)分画製剤事業の売上高は25%増の5357億円など、主力製品の伸びも下支えする。
武田薬品は今期1400億円を投じ、事業構造改革を実施する。24年4〜9月期には退職金などを含めて616億円の費用を計上した。古田未来乃最高財務責任者(CFO)は「効率化プログラムは計画通り進捗している。コア営業利益率の25年度以降の改善を目指す」と話した。
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