主力のがん治療薬「エンハーツ」の販売が好調

第一三共は31日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比12%増の2250億円になる見通しだと発表した。従来の減益予想(5%減の1900億円)から一転、増益になる。主力のがん治療薬「エンハーツ」の販売好調や円安が利益を押し上げる。

売上高に相当する売上収益は14%増の1兆8300億円と800億円上方修正した。エンハーツは投与の対象が世界で広がり、36%増の6118億円と264億円上振れする。抗凝固薬「リクシアナ」も伸びる。奥沢宏幸社長は決算説明会でエンハーツについて「販売地域での浸透や上市国・地域の拡大、新規適応の取得を進める」と述べた。

コア営業利益は33%増の2600億円と500億円上方修正した。執行時期の一部見直しで研究開発費が4600億円と計画より100億円減ることも寄与する。

同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比22%増の8827億円、純利益が51%増の1466億円だった。エンハーツなどが好調だった。ジェネリック医薬品(後発薬)を手掛ける第一三共エスファの株式譲渡益(163億円)も計上した。

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