リチウムイオン電池に欠かせないアルミ箔の事業で経営統合する計画だった(UACJ製箔の製品)

UACJと日本軽金属ホールディングス(HD)は31日、アルミ箔製品を手掛ける子会社の統合計画を中止したと発表した。両社は電気自動車(EV)の電池部材であるアルミ箔の需要増に備えて、2022年に子会社統合を発表し準備を進めてきた。独占禁止法の審査影響で手続きが遅れたほか、EV市場の伸びの鈍化も影響した。

同日のオンライン決算会見に出席した日軽金HDの一色浩一執行役員は「複合的に検討し、各社が単独で成長を目指した方が望ましいと合意した」と述べた。経営統合後の成長戦略などを議論して折り合えなかった。EV市場について「当初想定よりもダウンサイズしたことも影響した」(一色氏)という。

22年の発表では、UACJ子会社のUACJ製箔(東京・千代田)と日軽金HD子会社の東洋アルミニウム(大阪市)が統合し、新会社を23年に設立する予定だった。新会社の株式の8割を産業革新投資機構(JIC)子会社のJICキャピタル(東京・港)が保有し、残り2割をUACJが持つ計画だった。

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