小野薬品工業(大阪市中央区)

小野薬品工業は31日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比55%減の580億円になる見通しだと発表した。従来予想を330億円下回る。6月に米バイオ薬品企業、デシフェラ・ファーマシューティカルズを買収したことで研究開発費などが膨らむ。韓国バイオ企業と創薬で提携する契約の費用も織り込むことも利益を押し下げる。

売上高に当たる売上収益は4%減の4850億円となる見通し。従来予想を350億円上回る。慢性腎臓病薬「フォシーガ」の販売増や、デシフェラ社買収で獲得した抗がん剤「キンロック」で上振れする。一方で研究開発費や販管費などが膨らみ、営業利益は49%減の820億円と、従来予想を400億円下回る見通しだ。

小野薬品は31年までに特許が切れる主力のがん治療薬「オプジーボ」のパテントクリフ(特許の崖)に備え、買収や新薬候補の開発権の取得などを進めている。10月には韓国バイオ企業、LigaChem Biosciences(リガケムバイオサイエンス)からがん治療薬の開発販売権を取得し、創薬で連携する。

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