企業の不正調査などを行うKPMG FAS(東京・千代田)は富士通と協業し、社内のリスク管理や不正調査に関するデータ分析サービスの提供を始めた。社内外に散在するデータの収集と分析を一括して進め、分析効率を高める。不正の疑いがあるデータを抽出して注意喚起もできる。
大手製造業など、品質不正や取引先での人権侵害、データ管理などの不正リスクに敏感な企業からの需要を見込む。
企業が不正調査やリスク管理のためのデータ分析をする際、従来はメールやエクセル、ワードなど様々な形式のデータを社内外からいったん収集したうえで、解析する必要があった。KPMGなどが今回新たに提供するサービスでは、富士通のプラットフォームを使うことで、散在しているデータの収集と分析を一括して進めることができる。従来は3カ月ほどかかっていた調査でも、数日で終わるようになるという。
使用料金はデータ処理量に応じて決める。
KPMG FASの西嶌宏之パートナーは「欧米企業は不正を発見する仕組みへの投資に積極的だが、日本企業は不正が発覚した後に対処に追われるケースが多い。日本企業も不正の発見段階にもっと力を入れるようになるよう期待したい」と話している。
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