ワコムが30日に発表した2024年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比9%減の34億円だった。韓国サムスン電子のスマートフォン向けなど電子ペンシステムが好調だったものの、7億円の為替差損を計上したことが響いた。

売上高は3%増の573億円、営業利益は2.2倍の54億円だった。電子ペンのOEM(相手先ブランドによる生産)などテクノロジーソリューション事業が好調で、同事業の売上高は10%増の424億円、セグメント利益は35%増の93億円だった。

絵や文字を入力できるディスプレーなど自社ブランド製品は競合との価格競争で売り上げが伸び悩んだ。

25年3月期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比1%増の1200億円、純利益は36%増の62億円を見込む。25年3月期中に従業員の15~20%にあたる人員の削減を実施すると発表しており、構造改革による特別損失が生じる見通しだ。

同日、株主還元策として最大20億円の自社株買いを実施すると発表した。発行済み株式総数(自己株式を除く)の2.83%に当たる400万株を上限に買い付ける。期間は31日から25年1月20日まで。

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