アルプスアルパインは30日、2025年3月の連結経常利益が前年同期比23%減の190億円になりそうだと発表した。従来予想から50億円下方修正した。営業外費用に為替差損を46億円計上したことが響く。グループ会社アルプス物流の株式の一部売却やパワーインダクター事業の譲渡に加え、為替が足元で円安に振れているなどの理由から純利益は据え置いた。
売上高は9400億円に上方修正した。電子部品のコンポーネント事業が主にスマートフォン向けに想定以上に好調に推移する。ただ車載市場については4〜6月期決算発表時から悪化するとの見方に変更した。
小平哲取締役専務執行役員は「日系OEM(相手先ブランドによる生産)の中国市場での販売が上がらないのに加えて、米国で(欧州自動車メーカーの)在庫が積みあがっている」と話す。営業利益はスマホ向け部品の不透明要因もあり据え置いた。
同日発表した24年4〜9月期の連結決算は純利益が85%減の10億円、売上高が3%増の4903億円だった。コンポーネント事業では車載、スマホ、ゲーム機などの市場で売上高が増え、営業利益も56%増の167億円だった。
一方で車載機器を手がけるモジュール・システム事業は売上高が6%減の2589億円、営業損益が52億円の赤字(前年同期は5億円の黒字)。センサー・コミュニケーション事業も営業赤字だった。
同日、構造改革の一環として国内のモジュール・システム事業を福島県いわき地区に集約することやアイルランド工場の車載事業撤退も発表した。
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