三菱電機は30日、米東部ペンシルベニア州内に送配電網向け機器の工場を新設すると発表した。兵庫県にある国内工場でも同機器の生産ラインの効率化を進める。日米での投資額は計約160億円。データセンターの設置が増えて電力需要が急速に高まるなか、送配電網に欠かせない中核機器の増産を急ぐ。
米子会社の三菱電機パワー・プロダクツの工場に約120億円を投資し、送配電網に使う開閉器の生産能力を現在の2倍へ引き上げる。開閉器は送電網向けの機器で、雷が発生した際に停電を防ぐ。新設した工場は2027年3月末までの稼働を目指し、従業員数は現在の1186人から約2割増員する計画だ。
国内では電力設備の機器を開発する系統変電システム製作所(兵庫県尼崎市)の生産ラインを見直す。40億円を投じ、効率よく機器をつくれるようレイアウトを組み替える。25年3月期から設計の見直しに着手する。
人工知能(AI)の普及により、データセンターの設置が日米で進んでいる。加えて再生可能エネルギーの利用が増えたことで、従来に比べ開閉器の需要が拡大している。
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