記者会見する中部電力の林社長(29日、名古屋市)

中部電力は29日、2025年3月期の連結純利益が前期比48%減の2100億円となりそうだと発表した。従来予想(58%減の1700億円)から減益幅が縮小する。夏場の猛暑を受けて冷房設備の稼働が増え、電力収益が従来見通しを上回る。燃料調達や需給調整にかかる費用の圧縮も進む。

前期にあった燃料価格の変動が電力料金に遅れて反映されることで生じる「期ずれ差益」が大幅に減るため、減益予想は変えない。林欣吾社長は「稼ぐ力は着実についている」と話した。

24年4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比4%減の1兆7664億円、純利益が53%減の1469億円だった。

同日、中部電力は上下水道料金の検針や徴収などを手掛ける第一環境(東京・港)に20.3%出資し、持ち分法適用会社にすると発表した。水処理大手の水ing(スイング、東京・港)から株式を取得する。中部電力が上下水道分野の企業に出資するのは初めて。出資額は非公表。

第一環境は水道の検針や料金徴収で高いシェアを持つ。中部電力は地域インフラに関わる分野に注力しており、出資を通じて事業を拡大する。

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