汎用樹脂の生産設備を一部停止する住友化学の千葉工場(千葉県市原市)

住友化学は29日、食品フィルムなどに使われる汎用樹脂の生産能力を削減すると発表した。国内で需要が縮小する傾向にあるため。千葉県内の設備の一部を止め、生産能力を1割強減らす。早ければ11月末に実施し、遅くとも2024年度内には完了する。

生産規模を縮小するのは主要4樹脂の一つ「低密度ポリエチレン」で、食品の包装フィルムや調味料のボトルなどに使われる。総生産能力は年17万2000トンあるが、そのうち1割強に相当する2万トン分の設備を停止する。25年3月期の通期業績予想には織り込み済み。今後は高付加価値で利益率の高い食品フィルム向けなどに注力する。

低密度ポリエチレンは基礎化学品のエチレンが原料になる。丸善石油化学との共同出資会社、京葉エチレン(東京・中央)からエチレンの供給を受けている。住友化学は28日、京葉エチレンからの製品引き取り率の引き下げを丸善石化に申し入れたと発表した。原料の調達も減らし、採算を改善する。

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