富士フイルムは半導体材料を成長領域と位置づけている

富士フイルムは29日、最先端の半導体製造で使われる材料の販売を始めたと発表した。フォトレジスト(感光材料)と現像液で、シリコンウエハー上に微細な回路を描く工程で使われる。人工知能(AI)や高速通信規格「5G」向け半導体の需要増を見込む。

販売開始に合わせ、日本と韓国の既存工場設備を増強する。生産設備や品質評価のための検査装置を導入し、韓国ではクリーンルームも新たに設置する。生産能力と投資額については非公表としている。2025年10月からの稼働を予定する。

富士フイルムが販売を始めたのは、最先端の半導体製造プロセスで使われるEUV(極端紫外線)露光装置向け材料だ。シリコンウエハー上に線幅が10ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下の微細な回路を描く工程で使われる。線幅が1ナノ台の次世代半導体にも対応する見通し。

富士フイルムは半導体材料への投資を進めている。9月末には静岡県を含む国内の2つの半導体材料の工場に計約200億円を投じ、2つの新工場棟を25~26年にかけて稼働させると公表した。31年3月期には半導体材料事業の売上高を5000億円と25年3月期計画(2450億円)から倍増させる計画を掲げる。

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