厚生労働省が29日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.24倍で前月から0.01ポイント上昇した。上昇は2カ月ぶり。インバウンド(訪日外国人)の増加を受けた宿泊・飲食サービス業の新規求人があった一方で、物価高や円安の影響で生活関連サービス・娯楽業で雇用を控える動きがあった。
総務省が同日発表した9月の完全失業率は2.4%で、前月から0.1ポイント下がった。
有効求人倍率は全国のハローワークで職を探す人に対し、1人あたり何件の求人があるかを示す。9月の有効求人数は236万602人と0.1%増えた。有効求職者数は0.1%減の190万2916人だった。
景気の先行指標とされる新規求人数(原数値)は前年同月と比べて5.9%減少した。業種別では生活関連サービス・娯楽業が13.3%減と落ち込みが目立った。温泉施設やレストランで燃料費や光熱費が膨らみ、求人を見送る動きがあった。
製造業も9.1%減でマイナスが続く。物価高や円安による原材料費の高止まりに加え、人件費の増加も収益を圧迫している。中小企業を中心に、人手不足でも求人を控える企業も少なくない。厚労省によると、中国経済の減速で受注が減った事業所もあった。
宿泊・飲食サービス業ではインバウンド需要の拡大を背景に求人が改善した。マイナス幅が前月から大きく縮小した。大手飲食チェーンが多数の求人を出したことも寄与した。
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