日本ゼオンは28日、2025年3月期の年間配当が70円(前期は45円)になる見通しだと発表した。従来予想から23円積み増す。5月から継続中の自社株買いについても取得枠を最大100億円から同200億円に変え、株主還元を拡充する。

同日、今期の連結純利益予想を前期比39%減の190億円と15億円上方修正した。保有株の売却益約84億円を計上する。工場の不具合発生による設備停止や原料調達先の生産トラブルで、営業利益は15%増の235億円と30億円下振れする。

自社株買いは、3月までに発行済み株式総数(自己株式を除く)の約9.6%にあたる2000万株を上限に取得する。従来は1000万株を上限としていた。取得した自社株はすべて消却する。

今期の売上高は9%増の4150億円と180億円上方修正した。下期に主力の合成ゴムや高機能材料の販売が想定以上に増える。

同日発表した24年4〜9月期連結決算は、売上高が前年同期比15%増の2133億円、純利益が19%増の123億円だった。スマホやプリンターなど電子機器の需要が回復しており、関連材料の販売が堅調に推移した。

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