「大阪王将」を運営するイートアンドホールディングス(HD)傘下で、冷凍食品の製造販売を手がけるイートアンドフーズ(東京・品川)は25日、宮崎県都城市内の工業団地に冷凍の餃子(ギョーザ)を生産する新工場を建設すると発表した。同社の工場建設は九州では初めてで、2026年12月の完成を見込んでいる。
工場は都城インター工業団地桜木地区の8259平方メートルの区画に建設する。建物の延べ床面積は7400平方メートルで、投資額は60億〜70億円を想定する。25年6月に着工し、26年12月の完成を目指す。270人を新規雇用する予定で、新工場では商品を年間約2万トン製造する計画だ。
同社は大阪府や群馬県などに工場を構えているが、九州は初めて。イートアンドフーズの仲田浩康社長は「宮崎、鹿児島の両県はキャベツやニンニクなど原料の調達地として縁がある。災害などのリスク分散を考えたときに都城市から誘われた。商品を海路で大阪・南港や神戸港に運べ、物流面のメリットも大きい」と語った。
この日は都城市と工場立地協定を締結。同社が工場立地を決めたことにより同工業団地の桜木地区は12区画すべての進出企業が決まったことになる。
同地区は宮崎自動車道都城インターチェンジ(IC)から約1分の距離に位置する。都城ICと鹿児島県の志布志港を約40分で結ぶ高規格道路「都城志布志道路」が24年度末までに開通予定で、鹿児島方面とのアクセス向上が見込まれる。
都城インター工業団地では、これまでに相次いで物流センターなども立地している。クレーンリースの外薗運輸機工(鹿児島県薩摩川内市)やセンコーグループホールディングスの物流センターなどが稼働。宮崎県や隣接する鹿児島・熊本など九州南部の配送をカバーできる拠点として活用されている。
都城市は需要が見込めるとして、都城インター工業団地の高木北地区や梅北インター工業団地の整備を進めている。同市はふるさと納税を生かして子育てや移住・定住政策に力を入れ、23年度は移住者3710人の移住者があり13年ぶりに人口増加に転じた。こうした移住者の雇用先を確保するためにも企業誘致を進めている。
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