愛知県は25日、同県ゆかりの企業家54人の功績を展示する施設「あいち創業館」を報道陣に公開した。トヨタ自動車グループの創始者・豊田佐吉氏やソニーグループ創業者の盛田昭夫氏らを紹介する。革新的な事業を興し、世界的な企業に育てたかつての起業家の業績を広め、起業やスタートアップへの関心を高める。
11月1日にオープンする。10月31日に開業する愛知県のスタートアップ育成拠点「ステーションAi」(名古屋市)の2階に入る。広さは約300平方メートルで、入館無料。企業家のエピソードや生み出した製品をデジタルツールで紹介するほか、愛知県の産業の起源をプロジェクションマッピングなどで紹介するコーナーがある。
大村秀章知事は25日の内覧会で「創業は困難を伴うもの。偉大な企業家たちの成功にはたゆまぬ努力がある。彼らの物語を通じて若い世代が勇気を持って未来に挑戦してほしい」と訴えた。「このステーションAiで育った起業家も追加したい」と話した。
展示対象者はトヨタグループから豊田佐吉氏、佐吉氏の長男でトヨタ自動車創業者の豊田喜一郎氏、戦後の経営危機からトヨタを立て直した石田退三氏、トヨタ中興の祖とされる豊田英二氏、豊田喜一郎氏の長男の豊田章一郎氏ら5人が名を連ねた。
電力・エネルギー分野では東邦電力(現・中部電力)を設立し「電力の鬼」との異名をとった松永安左エ門氏、東邦ガス初代社長で「ガス博士」とも呼ばれた岡本桜氏、リンナイ創設者の林兼吉、内藤秀次郎両氏らが入った。
このほか日本陶器合名会社(現・ノリタケ)を創立した六代目森村市左衛門氏、ブラザー工業の経営を兄弟で担った安井正義、実一両氏、岡谷鋼機の前身の笹屋を率いた九代目岡谷惣助氏、ミツカンの海外展開を進めた七代中埜又左エ門氏らが加わった。
54人に加え、6人の女性企業家も24年度中に追加で展示する。名古屋の繁華街・栄でオリエンタルビルを設立した平松さわ氏、鮮魚店「魚屋まるは」を創業した相川うめ氏、名古屋女学校を創立した越原春子氏らの業績を紹介する。
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