そごう・西武は23日、西武池袋本店(東京・豊島)で2025年の福袋の店頭販売を見送ると発表した。家電量販店の出店に伴う改装工事の影響を受けて売り場が手狭となるため、来店客の安全確保を優先する。そごう横浜店(横浜市)など、ほかの全国9店や電子商取引(EC)での取り扱いは24年同様に継続する。
西武池袋は近年、主要百貨店が元日や1月2日に休業する中、東京都内で元日から福袋などの初売りをしていた唯一の百貨店だった。このため例年は福袋目当ての客の来店が多く都内の元日の風物詩となっていた。
25年の福袋の売り上げは他店やECの販売を伸ばすことで、前年並みを目指すとしている。西武池袋が元日に食品売り場などの通常営業をするかは「検討中」(同社)という。
池袋本店の店頭販売はないものの、そごう・西武は25年福袋はぜいたく品をお得に楽しめる品や体験型の品を充実させる予定だ。
西武渋谷店(東京・渋谷)などでは大谷翔平選手が史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成したことにちなんで、ハンカチと靴下を50ずつセットにした2万2千円の品を売り出す。
西武秋田店(秋田市)では足元、コメへの引き合いが強いことからブランド米「あきたこまち」の米俵(60キログラム)を2万250円で抽選販売する。
そごう横浜店では横浜で例年夏に開かれる花火大会の日にイタリア料理店を約100万円で貸し切れる品を用意した。
そごう・西武はセブン&アイ・ホールディングス(HD)が23年、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却し、ヨドバシホールディングス(HD)が西武池袋の一部不動産を取得した。建物の半分の面積に家電量販店「ヨドバシカメラ」が出店するため、西武池袋は25年の改装開業に向けて店内の工事を進めている。
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