首都圏で地下鉄を運営する東京メトロが、東京証券取引所の最上位プライム市場に23日上場し、初の取引が始まった。売り出し価格は1株1200円で、売り出し価格ベースの時価総額は7千億円規模に達する。2018年のソフトバンク以来約6年ぶりの大型上場案件だ。東京メトロは高水準の利益を誇る鉄道を軸に、不動産など事業の多角化を進める。
上場に伴い、国が53.42%、東京都が46.58%の株式の保有割合はそれぞれ半減。国の株式売却分は1800億円余りで、東日本大震災の復興財源を賄うため発行した復興債の償還費用に充てるよう定められている。
国と東京都は当面、残る株式の保有を続ける考え。東京メトロが計画する2路線での延伸を支援する。完全民営化が今後の検討課題となる。
東京メトロの24年3月期の営業利益は763億円で、売上高に占める割合は19.6%と、首都圏の他の私鉄を大きく上回る水準だ。強固な収益基盤を持つ一方、経営に対する国と東京都の関与が残る中、沿線開発などを通じてどう企業価値を高めていくかが問われる。
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