記者会見を開いた日産自動車の高橋・日本事業広報渉外部長㊧ら(22日、大津市)

日産自動車は滋賀県と組み、琵琶湖周辺で電気自動車(EV)の利用を促進するイベントを始める。23日から1年間、県内の観光・宿泊施設など18カ所をEVで訪れるユーザーに料金割引をはじめとする特典を与える。日産が自治体と連携し、都道府県全域を対象にEV優遇策を実施するのは初めてで、ほかの地域にも広げる構えだ。

県の外郭団体「びわこビジターズビューロー」も参加し、22日に大津市の県庁で日産、県を加えた3者が記者会見を開いた。

特典を得られるのは6カ所の「道の駅」、琵琶湖汽船(大津港)のクルーズ、安土城郭資料館などで、2025年10月31日まで。事前登録は不要で、施設を使う際にEV利用を証明する充電カードや車検証などを提示する。対象は日産車に限らない。日産は県内をEVで周遊するイメージ動画を作成し、インターネット上で公開する。

日産はEVによる社会の変革を目指す「ブルー・スイッチ」活動に取り組む。日産グループは20年、滋賀県と包括的連携協定を締結し、二酸化炭素(CO2)の排出量削減をはじめとする環境対策への協力を表明していた。会見で日産の高橋雄一郎・日本事業広報渉外部長は「同様な試みをほかの自治体にも広げていきたい」と語った。

一方、京阪神に生活用水を供給する琵琶湖を抱える滋賀県はかねて環境保全に力を入れており、この機会にEVの普及を目指す。びわこビジターズビューローの木村敦事務局長は「県内にはEVの充電スポットが330カ所ほどあるので、心配なくドライブできる」と話した。今回の企画は県が9月に始めた大型観光キャンペーン「いこうぜ♪滋賀・びわ湖」の一環だ。

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