建材再利用の事例をまとめたデータベースのウェブページ

日建設計は18日、建物の解体後に建材を再利用する事例や技術をまとめたデータベースを構築したと発表した。進んでいない建材の再利用を促進する。柱など主要資材の有効活用を促し、資材高の対応にもつなげる。数年をめどに建築設計事務所や建設会社にも公開する。

ウェブ上で情報の更新や閲覧ができるデータベースを立ち上げた。廃材を再利用した内装や家具の仕様をまとめたページなど5つのジャンルで整理した。すでに建物や製品の事例を数百そろえた。社内の設計担当者向けに公開しており、手元の建設プロジェクトに活用し始めている。

今後は建材メーカーやデザイナーに対して事例を広める場として使ってもらい、更新提案を受け付ける。加工や保管のコストがかかる廃材の流通を促し、価格低減にも役立てる。

建物の建設時に排出する二酸化炭素(CO2)を減らすなどの環境対応は官民で事例が増えつつある。だがコンクリートなどの建設資材は新品の使用比率が高い。欧州では今後資材不足による価格高騰が深刻化することも見据え、建物の構造部材を解体・再利用できるよう新築時から構造や工法を工夫する取り組みが出てきている。

日建設計の設計グループの金子公亮ダイレクターは「建物の計画時に資源循環への対応を盛り込まなければ、規制当局や発注者が認めなくなる可能性もあるのではないか」と指摘する。

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