KDDIは低価格ブランド「UQモバイル」と「povo2.0」で新料金プランを始める。いずれもデータ容量あたりで実質値下げとした。楽天グループが低価格の料金プランで契約数を広げており、NTTドコモやソフトバンクも既にKDDIと同様の実質値下げを実施する。低価格帯の料金プランの展開で競争が激しくなっている。
UQモバイルで新たに「コミコミプラン+」を11月12日から投入する。利用可能データ量は特典が付いて月33ギガバイト(GB、ギガは10億)で月3278円となる。従来の「コミコミプラン」は20GBで3278円だった。
povo2.0では1年分の料金2万6400円をまとめて支払うと、30GBで月額料金が実質2200円となるプランを10月18日から始める。
既にドコモは1日からオンライン手続き専用の低価格帯プラン「ahamo(アハモ)」を見直した。料金は月2970円で据え置きつつ、利用可能データ量を月30GBと従来から10GB増やした。
ソフトバンクも格安ブランド「LINEMO(ラインモ)」の対象プランを契約すれば、30GBを6カ月間限定で月2970円(通常は3960円)にするキャンペーンを今月から始めている。
背景にあるのは楽天Gの契約数の急増だ。楽天Gによると、電話番号を変えずに他社に乗り換える「番号持ち運び制度(MNP)」を使い、4〜6月にドコモなど競合3社から楽天Gに契約を切り替えた利用者数は19万件近くに上った。
楽天Gの「Rakuten最強プラン」では20GB以上はいくら使っても月3278円に設定した。動画視聴などを頻繁に利用する若者層が楽天Gに流れており、3社は従来の20GBプランのデータ容量を増やす実質値下げに動いている。KDDIのpovo2.0は1年分をまとめて支払うプランとなっており、楽天Gへの利用者の流出を引き留める狙いもあるとみられる。
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