JA全農みやぎ(仙台市)は10日、JAグループが2024年産米を農家から買い取る集荷価格(概算金)を3000円引き上げることを決めた。コメをめぐる民間業者との競争が引き続き激しく、9月上旬に決定した概算金を追加払いする。

概算金の引き上げは主力の「ひとめぼれ」「つや姫」「ササニシキ」の3品種が対象。それぞれ1俵(60キログラム)あたり3000円引き上げ、「ひとめぼれ」は1万9500円、「つや姫」は1万9600円、「ササニシキ」は1万9800円にした。

JAグループの担当者は「短期での引き上げは過去に例がない。集荷の時期に判断できないと、市場に供給するコメを確保できなくなる」と話す。

概算金の引き上げに踏み切ったのは、JA以外の集荷会社がJAグループよりも高い買い取り価格を生産者側に提示するなど、集荷競争が激しくなっている状況が背景にある。

概算金はJA全農の各都道府県本部などが毎年、新米の収穫を前に需給環境や生産コストを踏まえて決める。国内のコメ流通の5割を握るJAグループが示す概算金は市場の基準価格となり、JA以外の集荷会社なども生産者からの仕入れ価格の目安にしている。

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