出光興産と三井化学は9日、千葉県の基礎化学品のエチレン生産拠点の集約について、2025年度下期に最終決定すると発表した。出光側の設備を止め三井化学側に集約する方針を24年3月に示していた。今後、基本設計などを詰める。
両社は千葉県市原市にそれぞれエチレンの製造設備を持ち、両社が折半出資する有限責任事業組合(LLP)が運営している。年間生産能力は出光側が約37万トン、三井化学側が約55万トンで、27年度に出光側を止める計画だ。今後プラントの仕様などを決定し、25年度下期に最終決定する。集約後もLLPが三井化学の装置を共同運営する方針だ。
エチレンは中国の設備増強などの影響で需要が落ち込み、国内設備の稼働率は好況の目安とされる90%割れが2年以上続くなど低迷している。両社以外にも旭化成、三井化学、三菱ケミカルグループの3社が西日本で生産体制の最適化も含めた検討を進めるなど、供給過剰状態からの脱却に向け再編の動きが加速している。
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