小林製薬は8日、紅麹(こうじ)原料を含むサプリメントの健康被害問題を受けて、執行役員や社外取締役、監査役の計18人が役員報酬を一部辞退すると発表した。山根聡社長や小林章浩・前社長はすでに報酬を返上しているが、執行役員らから報酬辞退の申し出があったという。
大脇藤人・常務執行役員ヘルスケア事業部事業部長のほか渡辺淳・執行役員信頼性保証本部本部長、山下健司・執行役員製造本部本部長ら3人が月額報酬の2割を、10月から12月までの3カ月分返上する。そのほかの執行役員7人も月額報酬の1割を同期間、返上する。
いずれも、健康被害の最初の症例報告があった1月から問題を公表する3月まで、社内幹部で構成し、対応を協議していた「グループ執行審議会」のメンバーだった。各役員が「本件における一連の対応についての責任を重く受け止める」との理由から返上を申し出たと会社は説明する。
これに加え、社外取締役4人と監査役4人も月額報酬の1割を3カ月分返上する。「全社一丸となって再発防止策を実行していくにあたり、社内の役職員との信頼関係をより一層強めて取り組みを進める」との趣旨で返上を申し出たという。
小林製薬は7月23日、当時専務だった山根氏の1〜6月の役員報酬4割と、社長だった小林章浩氏の同期間の役員報酬5割の返上を発表した。会長だった小林一雅特別顧問は報酬を返上していない。社外からは、問題を把握してから公表が遅れた件について一雅氏のほか執行役員や社外取締役、監査役の一定の責任を指摘する声があった。
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