上下水道などの建設コンサルティングを手掛ける日水コン(東京・新宿)が16日に東証スタンダードに上場する。間山一典社長に自社の強みや今後の戦略を聞いた。
――事業の概要と強みを教えてください。
「1959年の創業以来、上下水道施設の設計業務を中心に、上流にあたる調査・計画や下流にあたる維持管理を広く手掛ける。上下水道を合わせてトップシェアを持つ。珍しい特徴として、河道の改修や堤防の補強を手掛ける河川部門を持つ」
「水は地域性の強い資源で、気候・風土や近代以前の水利用の歴史に配慮する必要がある。土木構造物や水理学、水処理や電気、機械など幅広い知識やノウハウが必要だ。当社は営業や管理を除いた技術部門で600人程度の人材を抱えるのも強みだ」
――上場の目的は。
「事業を手掛ける地域、募集する人材などからの信頼を高めるためだ。日本の水道インフラは高度経済成長期から普及・整備を進めてきたが、持続可能性が求められる時代に本格的に突入している。人口減少や、発注者である自治体の技術者不足も進んでいる」
「設備の単純な更新ではなく、市町村ごとに個別に整備されたインフラを広域的な視点で再編・共同化することが必要だ。官民が連携して公共サービスを提供するPPP(官民連携)を推進する。当社もこれまでの『官』のサポート役だけでなく、『民』の立場で異業種とも組み、水道事業への関わり方を工夫していく」
――今後の成長戦略はどうなりますか。
「官向けと民向けのどちらの立場でも収益が得られる案件づくりに寄与する。2025年度までの中期経営計画で掲げる売上高営業利益率8%は前期(23年12月期)に達成済みで、今期は上積みを狙う。将来はM&A(合併・買収)を通じて人材や市場を獲得する。候補としては水利用が多い農業分野などが挙げられる」
――株主還元の方針は。
「連結配当性向は50%程度を目安に安定配当に努める」
(聞き手は橋本剛志)
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