PwC Japanグループは4日、日米企業による生成AI(人工知能)の活用実態調査を発表した。生成AIを「活用・推進している」と答えたのは、日本が67%、米国が91%と差が開いた。期待を上回る効果を実感しているかについては、日本が9%、米国が33%となり、事業活動への浸透における日米差が浮き彫りになった。
売上高500億円以上の企業・組織に所属する課長職以上の従業員を対象に調査した。ウェブでアンケートを実施し、日本では4月に912人、米国では5月に300人から回答があった。
社内活用の指標として、日米ともに「社員の生産性」との回答が最も多かった。日本では次いで「工数・コスト」と答えた一方、米国では「顧客満足度」と答え、日本より平均29ポイント高かった。米国では生成AIについて、新たな事業を生み出す成長の原動力と捉えている傾向が見てとれるという。
生成AIへのリスク対策については、導入している日本企業が平均26%だったのに対し、米国は同46%だった。報告書作成や文章添削などテキスト系の活用が多い日本に比べ、米国ではイラスト生成やカスタマーサービスの自動化など開発系の活用も多かった。
PwCコンサルティング執行役員パートナーの三善心平氏は「米国は日本より具体的なリスクに足を踏み込んだ上で対策をしている。日本企業は(生成AIを)使わないことによる機会損失の方がリスクとして大きいと捉え直し、新しい顧客体験を生み出すなどの活用法に注力すべきだ」と話す。
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