ドールは規格外のバナナを食品向けに販売している(4日、東京都中央区)

伊藤忠商事の果物事業子会社ドールは4日、規格外のために廃棄されてきたバナナを有効活用する事業活動を日本市場で拡大すると発表した。年間販売量を数年後に5000トン程度と、2023年度実績(約900トン)に比べて5倍以上に増やす方針を示した。

日本事業を担当するドール(東京・中央)の青木寛社長が同日の記者説明会で明らかにした。約900トンのうち、スターバックスコーヒージャパン向けが約3分の1を占める。残りはパンやアイス、飲料などの加工食品向けという。ドールは廃棄されるバナナを「もったいないバナナ」と呼んでいる。

社会貢献をアピールしたいオフィスへの定期配達も注力する。数年後にオフィスやスーパーなどの生鮮向けで約3000トン、加工食品向けで約2000トンの納入をめざす。バナナを加熱した「バナナ炭」をバーベキューなどの調理用炭や脱臭材向けに販売する構想も打ち出した。

ドールは「バナナ炭」を調理用など向けに販売する構想だ(4日、東京都中央区)

日本市場ではバナナの味がおいしくても、皮に傷がついていたりサイズが大きすぎたりする規格外の場合は販売が難しい。このためドールは主産地であるフィリピンで年間約2万トンのバナナを廃棄してきた。

集中豪雨や病原菌も生産に影響を与えており、規格外バナナの活用は重要度を増している。ドールは21年9月に規格外バナナの活用事業を開始した。同社は年間約20万〜25万トンほどのバナナを輸入しているとみられる。

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