通販大手のジャパネットホールディングス(HD、長崎県佐世保市)は3日、長崎市内に完成した大型複合施設「長崎スタジアムシティ(NSC)」を報道陣に公開した。14日の開業を前に、中核となるサッカースタジアムや併設されたホテルなどを紹介。セールスポイントとして、サッカー場を一望できる「スタジアムビュー」をアピールした。
報道陣向けの公開は、サッカースタジアムやアリーナを対象とした6月に続いて2回目。この日は併設された14階建ての「スタジアムシティホテル長崎」(全243室)を初めて公開した。客室だけでなく、6階にあるプールやサウナなどの温浴施設からもスタジアムを見下ろせることを担当者が説明した。
このほかにもスタジアムを挟んで位置するオフィス棟「NORTH」と商業棟「SOUTH」をケーブルで結び、滑車を使ってオフィス棟側から下りる「ジップライン」を設置。長崎港を眺めながら約30秒間、スタジアム上空を滑走できる。
中核施設の「ピーススタジアム」(約2万席)は、プロサッカーチームのV・ファーレン長崎が本拠地として利用する。ピッチと観客席の距離が最短5メートルと日本で最も近いのが特徴で、6日に開かれる大分トリニータとのJ2リーグ公式戦で初めて使われる。
元プロサッカー選手・監督の高木琢也・Vファーレン長崎取締役兼CROは、「選手から見ると、観客席が近いことでより集中力が研ぎ澄まされるのではないか」と指摘。「シュートでかなり、スーパープレーが生まれそうだ」と期待を語った。
同スタジアムでは、開業前の13日にこけら落とし公演も予定。長崎出身のシンガーソングライター、福山雅治さんが出演する。
サッカースタジアムの北側に建設された約6000席の「ハピネスアリーナ」は、プロバスケットボールチームの長崎ヴェルカが本拠地としてすでに利用を始めている。
長崎ヴェルカの伊藤拓摩社長兼GM(ゼネラルマネージャー)は事業面について「今年度はシーズンチケットの販売だけで、すでに昨シーズンの全座席販売を上回る勢いだ。来場者が増えることで、グッズの売り上げも大きな伸びが期待できる」と声を弾ませた。
NSCは民間主導でサッカー場を核にまちづくりに取り組む全国でも珍しいプロジェクトで、ジャパネットHDが総事業費約1000億円をかけて建設。JR長崎駅から徒歩約10分の市街地に立地し、東京ドーム1.5個分にあたる約7.5ヘクタールの工場跡地を再開発した。
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