NHKは1日、過去3年に複数の長時間労働による労災認定があったとして、9月30日に改善計画を東京労働局に提出したと発表した。今年4月、労働局から過労死等防止計画の提出を求める行政指導を受けていたという。今後は職員の健康状態や勤務状況の把握を強化し、長時間労働の削減を図る。
2019年10月、首都圏報道センター(当時)所属の40代男性管理職が亡くなり、22年8月に渋谷労働基準監督署から労災認定を受け、翌9月に公表していた。NHKによると、今年3月、新たに別の職員が渋谷労基署から長時間労働による労災認定を受けたことから、東京労働局による指導に至ったという。「本人がすでに職場に復帰している」として、NHKはこの職員の職種などについて明らかにしなかった。
過労死等防止計画は、都道府県労働局長が、3年間で過労死または精神障害などによる労災支給決定が2件以上あった企業に対し、提出を求める。23年12月28日付の厚生労働省労働基準局長、雇用環境・均等局長による通達で始まった新たな行政指導だ。指導を受けた企業は計画の策定から6カ月後と12カ月後に、それぞれ実施状況を労働局に報告することになっている。
NHKは「行政指導を受けたことを真摯(しんし)に受け止めている。職員一人ひとりにしっかりと目を配り、健康確保に努め、それぞれの能力を十分に発揮して、質と生産性の高い業務を遂行することが大事であると考えている。引き続き、長時間労働に頼らない組織風土づくりや業務改革など働き方の改善にいっそう取り組んでいく」とコメントした。(照井琢見)
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