JR東海の丹羽俊介社長(59)は30日までに共同通信のインタビューに応じた。10月1日で60周年を迎えた東海道新幹線は、日本経済や多くの人々の生活を支える「大動脈輸送」として「今後も大きな役割を果たし続ける」と語った。延べ約70億人に利用されたことには「多くの先人の努力とお客さまのおかげだ。大変ありがたい」と感謝を述べた。
これまで「安全輸送」を最優先に掲げており、脱線などの大きな事故は起きていない。豪雨や地震などの自然災害が多発する中で「さまざまな安全対策をこれからも向上させていく」と強調。地震のかすかな揺れを検知し、いち早く列車を止めるシステムなどの改良を重ねていくとした。
リニア中央新幹線の開業後も東海道新幹線の重要性は変わらないとして、投資や利便性向上に向けた取り組みを続ける考えも示した。災害時には「新幹線とリニアが補完し合うことで、より強い大動脈を形成することができる」と説明した。
新型コロナウイルス禍の2020年4月には乗客数が前年同月の1割に激減したことで「(社内の)危機感が非常に高まった」と指摘。ビジネス客向け車両の導入など、新たな需要を開拓する機運が生まれたという。
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