NECは30日、子会社のNECプラットフォームズ(東京・千代田)が手掛けるPOS(販売時点情報管理)端末事業を日本みらいキャピタルに譲渡すると発表した。譲渡額は非公表。2025年8月の譲渡を予定する。

NECプラットフォームズはPOS端末「TWINPOS(ツインポス)シリーズ」を開発・生産する。外食業界やガソリンスタンド業界向けにPOS端末を活用したシステムを構築してきた。事業売上高は23年度で約300億円、従業員数は約650人。国内のPOS端末では東芝テックや富士通フロンテックと並んで高いシェアを持つ。

POS端末の生産拠点である白石事業所(宮城県白石市)も譲渡する。同事業所で生産する通信機器などPOS端末以外の製品はNECプラットフォームズの他の事業所に生産を移管する。

事業譲渡では、NECプラットフォームズが設立する新会社にPOS端末事業を承継した上で、新会社の全株式を日本みらいキャピタルが運営するファンドが全額を出資する特別目的会社(SPC)に譲渡する。

NEC本体やグループ各社では小売業向けのPOSシステムの構築事業を手掛けており、同事業は継続する。

デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、POS端末は店舗における業務効率化やデータ主導の経営を支える基盤として重要性が増している。一方で、NECは主力のITサービス事業の成長に軸足を置く。関連性が薄い事業を切り離し、主力事業の成長を加速させる。

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