10月から暮らしに関わるモノやサービスの価格が変わる。ペットボトル飲料や食肉加工品が一斉に値上がりし、郵便料金や電気・ガス代の負担も重くなる。家計のやり繰りは一段と厳しさを増しそうだ。国の制度では、児童手当の拡充などが予定されている。

食品195社を対象とする帝国データバンクの調査によると、10月の飲食料品の値上げは約3000品目に上り、今年最多の月となりそうだ。「キリン 午後の紅茶 ストレートティー」(500ミリリットル)は1日、希望小売価格が173円から195円に上がる。伊藤ハムも家庭用40品の納品価格を最大で2割引き上げる。

郵便は封書(25グラム以下、定形)が110円(現行は84円)、はがきは85円(63円)になる。封書の値上げは、消費税率の改定時を除けば1994年以来30年ぶり。郵便局では、新料金や差額分の切手を販売している。

電気・ガスは、政府が酷暑対策として支給する補助金が減額される。東京電力管内の標準家庭(使用量260キロワット時)では、減額の影響を含め10月使用分(11月請求分)が396円の負担増となる。

大手銀行などの住宅ローンは10月1日の借り入れから、契約者の約7割が利用する変動型で基準金利が上がる見込みだ。日銀の追加利上げが影響する。既存の契約は、来年1月から利払い負担が増えるケースが多い。損害保険大手4社は、個人向け火災保険料を全国平均で約10%引き上げる。

一方、収入面では、各都道府県の最低賃金が10月1日以降、時給で50~84円引き上げられる。最も高いのは東京で1163円(前年度1113円)、最も低いのは秋田の951円(897円)。

生活に身近な国の制度変更も相次ぐ。児童手当は支給対象を高校生までに広げ、所得制限が撤廃される。実際の支給は12月から。厚生年金は、従業員51人以上の企業で働くパートらが加入対象になる。従来は101人以上で、より多くの人の年金が手厚くなる。

医薬品では、特許切れの先発薬の窓口負担が引き上げられる。乳幼児らに処方する保湿薬「ヒルドイド」や湿布薬「モーラスパップ」など1096品目が該当する。

このほか、日立造船が「カナデビア」になるなど、大手企業の社名変更も予定されている。

スーパーの買い物客[資料写真](AFP時事)

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