河村勇輝選手が着用している「アンプレ・アルス・ロー2」を手にする案浦萌さん=東京都江東区で(市川和宏撮影)
◆河村選手はパリ五輪もこのシューズで躍動した
「河村選手は普段、白のシューズを好んで履く。最初は『履けるかなあ』という感じだった。でも履いてみたら周囲の反応が良かったみたいです」。鮮やかなイエローのバッシュを手にした案浦さんが笑う。 今夏のパリ五輪にこのシューズで挑んだ河村選手。身長172センチと小柄ながら、スピードで大男たちを翻弄(ほんろう)し、世界に強烈な印象を残した。テレビ観戦したという案浦さんは「すごく誇らしい気持ちになった。コートのどこにいても目立っていました」と感慨深げに話す。◆在庫消化率は9月時点で96%
河村モデルは、昨年12月から販売開始。五輪仕様のイエローは今年7月にリリースしたばかりにもかかわらず、アシックスのオンラインストアでの在庫消化率は9月現在で96%に達する。「売れることを予想して通常より多く用意していたのに、想像を超えた。これほどの早さで売れた商品は過去にありません」バスケットボール日本代表の河村勇輝選手が着用している「アンプレ・アルス・ロー2」=東京都江東区で(市川和宏撮影)
意外にも、そんな案浦さんが小中学生の頃に取り組んだスポーツは新体操だという。高校は帰宅部。野球好きが高じ、大学時代は球場でアルバイト。バスケとの接点は入社後、バッシュ担当になってからだ。 「どんな動きをしているのか、Bリーグや大学の試合を見に行って勉強しました。トップスピードで走っていったと思ったら急に方向転換してジャンプしたり、いろんな方向にステップしたりする。これはシューズへの負荷が大きい競技だなと思いました」◆2年がかりで開発、要望かなえた「フィット性」
今回のシューズ作りで、河村選手から出た要望は「フィット性」だった。足にぴたりと吸い付き、激しい動きをしてもシューズの中でぶれない性能が求められた。試作品を作っては、実際に履いてもらい、2年ほどかけて完成させた。 この秋、河村選手は世界最高峰の米プロバスケットボールリーグ(NBA)に挑戦する。「今、NBAでアシックスを着用する選手はいない。『もしこれを履いてNBAのコートに立ったら』と想像し、今から楽しんでいます」 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。