三菱電機は26日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比11%増の3150億円になる見通しだと発表した。国際会計基準ベースで2期連続で過去最高益を更新する。データセンターなどに使う業務用空調が伸びる。ファクトリーオートメーション(FA)システム事業の採算も改善する。
売上高は1%増の5兆3000億円、営業利益は22%増の4000億円の見通し。売上高は3期連続の過去最高を見込む。各部門での価格引き上げが奏功する。
事業別にみると、空調・家電事業の営業利益は19%増の1060億円の見通し。北米で家庭用・業務用ともに値上げを実施。欧州向けの省エネ空調の伸び悩みを補う。政府予算の拡充に伴い、防衛装備品などを扱う防衛・宇宙システム事業も堅調に推移する。
構造改革を進める自動車機器事業の営業利益は14%減の270億円の見通し。製品販売が減る。漆間啓社長は同日実施したオンライン会見で「赤字を計上してきた事業だが価格見直しで収益性は(改善方向へ)転換しつつある」と述べた。
今期の想定為替レートは1ドル=140円(前期実勢は145円)に設定した。漆間社長は「海外からの部品調達が増えており、円安自体がいいとは考えていない」との認識を示し「輸入品が多い事業では原価低減など対応を考えていきたい」と述べた。
同日発表した24年3月期の連結決算は、純利益が前の期比33%増の2849億円だった。自動車や電力設備に活用するパワー半導体の需要が伸びた。価格を上げたことも利益を押し上げた。
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