「商品名はおしゃれな感じにするために、酎ハイの世界にGIN(ジン)をON(オン)するという造語にしました」と話すアサヒビールの野坂皓さん

 アサヒビールの無糖かんきつサワー「アサヒGINON(ジノン)」は2024年4月の全国発売から4カ月弱で販売数量が200万箱を突破した。年間目標も当初の3割増の400万箱に上方修正した。(共同通信=出井隆裕記者)

 開発を担当したアサヒビールの野坂皓(のさか・こう)さんは「意識が高く、魅力的な中高年男性を指す『イケてるオジサン』をターゲットに設定し、この人たちにどうしたら喜んでもらえるかを考えました」と話す。

 レモンピールなどのかんきつの果皮を漬け込んで蒸留し、香味付けした特製のジンを使用。レモンとグレープフルーツの2種類あり、果実由来の爽やかな風味が楽しめる。健康を意識し始めた中高年のビールからの切り替え需要を見込む。

 「イケオジはビール卒業後、ウイスキーのソーダ割りのハイボールなどを選びがちです。酎ハイは甘い飲み物という印象があるためで、逆にそれをひっくり返せばチャンスがあると思いました」

 開発中の試飲はコップで少量が一般的だが、メンバーは帰宅後にしっかり飲んで意見を出し合った。「お酒好きを対象にしているので、2杯目が飲みたいかを見極めるためです」

 350ミリリットル缶の希望小売価格は168円(価格は2024年8月時点)。「中高年男性は、あれこれ加えずに必要最低限で素材の良さを楽しみたいという傾向があります。余計なものを足さずとも、素材のおいしさを引き出せるジンにたどりつきました」。野坂さんは京都府出身、36歳。

アサヒビールの「アサヒGINONレモン」(左)と「アサヒGINONグレープフルーツ」

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