東京電力ホールディングスは26日、柏崎刈羽原発(新潟県)から出た使用済み核燃料の一部を、リサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する中間貯蔵施設(青森県むつ市)に初めて搬入した。再処理されるまで最長50年間にわたる中間貯蔵が事実上スタートした。

原発敷地外で使用済み燃料を保管するのは国内初。原発内の保管プール容量が限界に近づく中、柏崎刈羽の再稼働を含めた政府の原発推進戦略の追い風となる。ただ、中間貯蔵後の搬出先は不透明で、「永久貯蔵」への懸念も根強い。

東電とRFSによると、搬入されたのは柏崎刈羽4号機の使用済み燃料69体。金属製のキャスク1基に収納し、24日から運搬船で輸送。26日朝にむつ市の港に接岸した。トレーラーに積み替えた上、同日午後4時25分に施設への輸送を完了した。

これを受け、山本知也むつ市長は記者団に「周辺環境への影響がないことが確認されている」と語った。また、宮下宗一郎知事は県庁内で、「これまでの経験や実績におごることなく、これからもより高いレベルで安全性を追求してほしい」と述べた。

使用済み燃料は、核分裂反応が連鎖的に起こる臨界を防止したり、放射線を遮蔽(しゃへい)したりする機能を持つキャスクに入れたまま、自然の空気で冷やす。RFSは今後、最終的な使用前事業者検査を実施。原子力規制委員会が問題ないと判断すれば、10月にも正式に事業を開始する。

中間貯蔵施設では、RFSに出資する東電と日本原子力発電の使用済み燃料を保管する。今年度はキャスク1基(ウラン量12トン)、25年度は2基(同24トン)、26年度は5基(同60トン)を、いずれも柏崎刈羽から受け入れる計画。

トレーラーに載せられ、中間貯蔵施設の貯蔵建屋に運ばれる使用済み核燃料の入った金属製容器(キャスク)=26日午後、青森県むつ市

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