決算発表するゼンリンの高山善司社長(26日、北九州市)

地図情報大手のゼンリンが26日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比25%減の20億円だった。前の期に固定資産売却益など特別利益を計上した反動が主因で、売上高は4%増の613億円、営業利益は10%増の19億円と好調だった。新型コロナウイルス禍の影響で落ち込んだ自動車生産の回復に伴って、カーナビ用データなどオートモーティブ事業がけん引した。年間配当は前の期比1.5円増の28.5円とする。

6カ年の中長期経営計画の最終年度となる25年3月期の純利益は前期比20%増の25億円を見込む。住宅地図データなど1〜2割の値上げ浸透を織り込み、連結売上高は5%増の643億円、営業利益は82%増の36億円の見通し。年間配当は前期比1.5円増の30円を見込んでおり、4期連続の増配となる。

25年3月期の業績予想は中計で掲げた目標と比べて売上高は5億円上回るが、営業利益は22億円下回る。高山善司社長はベースアップによる人件費上昇や地図データ基盤の先行投資などを理由に挙げた。配当については「株主資本配当率(DOE)3%以上を維持しながら、長期保有してもらえるように利益還元していく」と説明した。

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