オンラインで会見する京セラの谷本社長(26日)

京セラは26日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比11%増の1120億円になる見通しだと発表した。増益は3期ぶり。生成AI(人工知能)サービスを運用するデータセンターの増加などを受けて、半導体関連部品の需要が回復する。

売上高は2%増の2兆500億円と2期ぶりに過去最高になる見通し。半導体製造装置向けのセラミック部品や、自動車向けのカメラ部品などがけん引する。複合機や通信関連を扱うソリューション事業は産業用プリンターなどの新製品が寄与する。

営業利益は18%増の1100億円になる見通し。スマートフォンや電気自動車(EV)向けコンデンサーといった電子部品事業は、部門の税引き前利益が300億円と前期の約5倍に回復する。同日の決算会見で谷本秀夫社長は「半導体関連市場は全体として底を打っているが顧客側の在庫がまだ残っている。10月以降に徐々に回復に向かう」と説明した。

今期の設備投資額は前期比2割増の2000億円を計画する。AI向け半導体チップを保護する先端パッケージの設備を導入する。谷本社長は「30年にかけて半導体市場が拡大する方向性は変わっていない。市況の回復期に備える」と話した。

同日発表した24年3月期の連結決算は、売上高が前の期比1%減の2兆42億円、純利益が21%減の1010億円だった。半導体や情報通信関連の需要落ち込みが想定より長引いた。

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